4 「めっきの工法・設備」の章

  1. 01 バレルめっき

5 「めっきに必要な処理」の章

  1. 01 綺麗にめっきをするには?
目次

8「めっきの試験・評価方法」の章 粉体めっきでの膜厚とめっき量

粉体めっきにおける膜厚の考え方

粉体めっきでは、同じ重量の粉体で比較すると、粒子が小さいほど粒子数が増え、表面積の合計も大きくなります。そのため、同じ膜厚で全面を覆うには、より多くのめっき金属が必要です。

粒径と膜厚の関係
粒径と膜厚の関係

粉体では、粒子形状、粒度分布、表面の凹凸、凝集、めっきの付き方などにばらつきがあります。また、同じめっき量であっても、すべての粒子に均一に付いている場合と、一部の粒子に厚く付いている場合では、状態が異なります。
そのため、めっき量だけから実際の膜厚や被覆状態を正確に判断することはできません。条件が不明な場合、正確な膜厚はわかりません。
そのため粉体めっきでは「めっき量(wt%)+断面SEMによる膜厚+表面の被覆状態」を組み合わせて評価を行ことが重要です。

粉体めっきにおけるめっき量の考え方

膜厚の説明でも触れたように、粉体めっきでは、粉体にどれだけの金属が付いているかを示すめっき量も重要な指標です。めっき量は、一般的に、めっき後の粉体全体に占めるめっき金属の重量割合であるwt%で表します。例えば、めっき後の粉体100gのうち、めっき金属が10g含まれている場合、めっき量は10wt%です。

めっき量と粒径と膜厚の関係
めっき量と粒径と膜厚の関係

膜厚のところでもご説明したように、同じ10wt%であっても、粒径や素材の密度が異なれば、膜厚は同じになりません。一般的には、粒子が小さいほど表面積が大きいため、同じめっき量を広い表面に分配することになり、膜厚は薄くなります。反対に、粒子が大きい場合は、同じめっき量でも膜厚が厚くなる傾向があります。
また、めっき量から分かるのは粉体全体に含まれる金属量です。金属がすべての粒子に均一に付いているか、一部の粒子に偏っているかまでは分かりません。そのため、めっき量は膜厚や被覆状態と合わせて評価する必要があります。

まとめ

本記事では、粉体めっきにおける膜厚とめっき量の考え方についてまとめました。
粉体めっきの膜厚は、粒径や粒子形状、素材密度、めっき金属の密度などによって変化します。
そのため、同じめっき量であっても、小さい粒子では膜厚が薄く、大きい粒子では厚くなる傾向があります。また、めっき量だけでは、めっきがすべての粒子に均一に付いているかまでは分かりません。
粉体めっきの状態を適切に評価するには、めっき量(wt%)、断面SEMによる膜厚、表面の被覆状態を組み合わせて確認することが重要です。