金めっきは、古い時代からアクセサリーなどの装飾品や宝飾品などで主に装飾用途として使われています。今でも変わらず使われており、目にすることも多いかと思います。めっきと言えば金めっき、と連想されるほど、知名度No.1のめっき種となっています。
一方で、電気・電子部品が作られる時代になると、装飾性ではなく、機能性用途としても広く使われるようになりました。金は、極めて高い耐食性と良導電性を兼ね備えているため、電気接点や接合電極の最表面へのコーティングとして非常に良く使われています。
電解金めっきは、容易に膜厚を厚膜化することができます。ある程度の数量を一括処理できることも利点の一つです。
金めっきを選定する際に、たまにデメリットになるのが硬さです。金めっきは柔らかく、50Hv前後です。しかし、金合金めっきをすることで、硬くすることができます。コバルト等、別の金属と合金化させることで、100Hv以上の硬さを持ち、高耐食性も持つ皮膜となります。
めっきを用いた電子製品を接合する際、良く使われる方法が2つあります。
1つめは半田接合です。この接合は、半田(スズorスズ合金)と電子部品のめっき膜を合金化させて接続します。電子部品側のめっき膜は半田と拡散できる金属であり、ニッケルめっきが多く用いられます。ただし、ニッケルめっきだけでは、接合までの間に表面が酸化して半田と接合できなくなります。ニッケルめっき表面の酸化防止のために金めっきで覆うことが必要となります。一般には0.05μm程度の非常に薄膜でも十分酸化防止になります。
2つ目はワイヤーボンディング接合です。この接合は、細い金属ワイヤーを電子部品の表面にそれぞれくっつけて接続します。半田接合との大きな違いは、この接合ではワイヤーと接合するのが金めっき膜である点です。接合する際に下地のめっき膜(主にニッケルめっき膜)が出てこないように、金を厚膜化したり、Pdめっきをニッケルと金の間に入れてバリアしたりする工夫をしています。
皆さんご存じの通り、金は貴金属であり、非常に高価な材料です。金めっきも同じく高価ですが、それでも金めっきが選ばれる、という事からも金めっきの有用性の高さが感じられます。
当社でも基板製品、チップ製品、半導体ウエハ、粉体と幅広い製品へ金めっきを行っております。