目次

1めっきを初めて学ぶ方へ 実際のめっき工法とは?

めっきするモノによって工法は様々

めっきされる品物は多種多様にあります。
品物によって、大きな製品、小さな製品、割れやすい製品、複雑な形状の製品、膜厚がシビアな製品、多量な製品、・・・。
しかも、めっきの種類も沢山あります。
それぞれの製品仕様に合っためっき工法が多数考案されており、また、めっき会社によっても、それぞれオリジナルの工夫がされています。

以下に、よく知られているめっき工法の例を挙げます。

ラックめっきーめっきと言えば、これ!

ラックめっきは、品物をめっき治具(品物を固定するための器具)で1つずつ固定してめっきする工法です。最も一般的な工法で、特に、車のバンパーなど、大きな品物への電解めっきによく使われます。
品物に穴が開いている場合、その穴を治具に引っ掛けてめっきすることもでき、”引っ掛けめっき”とも言われます。

特徴としては、一つずつ品物がぶつからないようにセットできるため、品物の変形やキズ・打痕などがありません。一方で、治具跡(治具で固定した部分にめっきが付かなかったり、めっきが薄くなったりすること)は出来てしまいます。

この工法に適した品物としては、掴みやすい(固定しやすい)もの、割れやすいもの、変形しやすいもの、キズをつけたくないもの、一部治具跡がついても問題のないもの、が挙げられます。

ラックめっきイメージ
ラック(引っ掛け)めっき

カゴめっきーラックでめっきできないなら、カゴ!

カゴめっきは、ラックめっきとは対照的で、いくつもの品物をかごに入れて一気にめっきする工法です。品物同士が重ならないように、カゴを動かしながらめっきします。一つずつ固定できないような小さな部品や、数が比較的多い品物に使われます。

特徴としては、一つずつ固定するわけではないので、治具跡がつきません。一方で、品物がカゴや他の品物にぶつかってしまうため、品物の変形やキズ・打痕などが発生しやすくなります。

この工法に適した品物としては、小さなもの、多少の衝撃では割れたり変形したりしないもの、ちいさなキズは問題のないもの、全面にめっきが必要なもの、が挙げられます。

カゴめっきイメージ
カゴめっき

バレルめっきー大量生産と言えば、バレルめっき

バレルめっきは、カゴめっきのカゴに蓋をして、ぐるぐると回転させてめっきする工法です。当社でも小さな電子部品などをバレルめっきでめっきしています。

特徴としては、カゴめっきと同じですが、カゴめっきよりも、沢山の品物を入れてめっきすることが出来るので、大量生産製品に向いています。一方で、品物がカゴよりも良く撹拌されるので、品物が複雑な形状だと、品物同士が絡まってくっつきやすくなります。

この工法に適した品物としては、大量に処理したいもの、比較的単純な形状のもの、多少の衝撃では割れたり変形したりしないもの、ちいさなキズは問題のないもの、全面にめっきが必要なもの、が挙げられます。

バレルめっきイメージ
バレルめっき

フープめっきー連続した板や線への大量生産向け

フープめっきは、ロール状に巻かれた連続した品物を引き出して、連続してめっき処理をし、ロール状に巻きとって完了する工法です。リールtoリールめっきとも呼ばれます。連続した板材や線材にめっきでき、リードフレームへのめっきもこの工法が用いられる場合があります。※現在、当社にはフープめっき設備はありません。

特徴としては、連続した品物にとっては、安定した処理ができ、生産性が高いです。ロール状に巻かれた状態で処理ができ、巻き取って終わるため、前後工程との流れもスムーズです。

この工法に適した品物としては、大量の連続したもの、が挙げられます。右の図にあるように、品物を連続して送っていく必要があるため、連続投入ができる大量生産品、とかなり絞られますが、該当するものであれば、非常に良い工法となり得ます。

一方で、少量多品種で、1品種当たりの量はそんなに多くない・・・、という場合は、ロール状ではなく、短冊状にカットし、他の工法でめっきする方が適する場合もあります。当社では、短冊状、シート状のめっき対応の実績があります。

フープめっきイメージ
フープ(リールtoリール)めっき