2 めっきをもっと学びたい方へ

  1. 01. 色々なめっき
  2. 02. to be continued...
目次

3めっきで困っている方へ めっきの持つ特性ーめっきの力は意外と大きい

めっきの内部応力

めっき膜には”(内部)応力”と呼ばれる力が存在しています。
製品が上に引っ張られる方向に働く力を”引張応力”、製品が下に押し付けられる方向に働く力を”圧縮応力”と呼びます。

例えば、大きなボルトやナットなどへめっきする場合、多少めっきに応力があっても、問題はないでしょう。
しかし、薄いフィルムのような製品にめっきをする場合、応力が大きいと、フィルムが応力の方向に沿ってしまうことがあります。
半導体デバイスの作成のために用いられるシリコン系ウエハもフィルムのように薄くなっていますので、小型化・薄膜化という開発の流れの中では、特にめっきの応力のコントロールが重要になっています。

めっきの応力を測定する方法としては、テストストリップによる開脚試験があります。容易に測定できるため、当社でもよく行っています。開脚試験はテストピースに片面めっきを行い、めっき後のテストピースの開脚幅から応力を測定する方法となります。
 めっき面側に反っていれば引っ張り応力。めっき面が丸まるように反っていれば圧縮応力となります。

めっき応力のコントロール

めっき液によって応力の種類や大きさは異なります。

例えば、同じ電解ニッケルめっきでも、硫酸ニッケルベースのめっき液(ワット浴)は、引張応力を持ちます。一方、スルファミン酸ニッケルベースのめっき液(スルファミン酸浴)は、引張から圧縮まで調整可能な液です。

応力を調整する方法は、様々あります。
まず検討するのは、めっき膜厚の薄膜化です。応力はめっき膜厚が厚くなるほど大きくなります。もしくは、めっき液の種類や組成、めっき条件等で、理想の応力に近づけていける場合もあります。
めっき膜の持つ他の特性とのバランスも鑑みながら検討をし、最適なめっき皮膜を見つけていくのです。