めっき技術 TECHNOLOGY

量産実績有り

粉体へのめっき

Plating on the powder-form materials

粉体へのめっき

目に見えない、花粉よりも小さいミクロンサイズの粉体から、かつ、その1粒1粒にナノオーダー厚のめっきをつけることが可能です。

主な機能
接合性 耐食性 高導電 低抵抗 高熱伝導

主な基材

粒径:3µm以上(3μm未満もトライさせていただきます)
素材:金属、ガラス、カーボン、樹脂、セラミックス粉など

対応実績

量産実績

無電解金 粉体の導電性向上、貴金属コストダウン
無電解銀 粉体の導電性向上、電磁波シールド性付与
無電解パラジウム 粉体の耐食性向上

試作実績

無電解ニッケルリン 粉体の導電性向上、耐食性向上
無電解ニッケル 粉体の導電性向上、磁性付与
無電解銅(Cu) 粉体の導電性向上、焼結性向上

上記以外の仕様についてもお気軽にご相談ください

技術の特徴

粉体へのめっきとは

粉体めっきは、⽬に⾒えないほどの⼩さな粉体(微粒⼦)にめっきを⾏う技術です。
⼤きさは花粉よりも⼩さいミクロンサイズ(1mmの1/1000=1μm)の粉体から粉体までめっき可能で、その粉体⼀つ⼀つにめっきを⾏う、それが「粉体めっき」となります。

粉体めっきとしては約20年の経験があり、実施したコア粒子材料・めっき皮膜の組み合わせは非常に多彩な実績がございます。対応実績については、下の「技術の特徴3」をご覧ください。
 

ニッケルめっきをしたダイヤモンド粒子の表面SEM
ニッケルめっきをしたダイヤモンド粒子の断面SEM

粉体めっきによる付加価値(導電性、電磁波シールド、コストダウン)

めっきの種類による体積抵抗率の比較グラフ
  • 導電性付与
    樹脂粉やセラミックス粉などの非導電性粉にめっきをすることで導電性を付与することができます。また導電性があっても抵抗が高い場合にはAgめっきなどをすることでさらに抵抗を下げることもできます。下図の抵抗-圧力グラフは粒子径20µmの金属粒子に各0.1µmのめっきを行った事例となります。50MPaの圧力下ではAgめっきで1.5×10-4Ω・cmとなります。膜厚を厚くすることでさらに低くするなど、カスタマイズも可能です。

 

  • 電磁波シールド性付与
    粉体にめっきを行うことで、電磁波シールド性を付与することができます。例えば導電性の良いCuめっきやAgめっきを行うことで電波を反射し、電磁波シールド性は高くなります。コア粒子が磁性のものであれば、磁気シールド性と電磁シールド性の両方を兼ね備えることができます。
     
電磁場シールド性を付与した粒子の活用イメージ
  • 貴金属粉のコストダウン
    高価な貴金属粉の代わりに、他の材質のコア粒子に貴金属めっきをすることで、ほぼ同等の性能を維持したまま貴金属の量を減らし、コストダウンをすることができます。例えば、充填材料にAu粉を用いている場合、Au粉より安価なコア粒子材料にAuめっきを10%すると、Au使用量を90%低減できます。
    そのほか磁性付与、耐食性付与、焼結性向上などの付加価値が見込めます。
粉体へめっきすることでのコストダウンイメージ

対応実績(コア粒子の形状、めっきの膜厚)

量産実績としては、コア粒子はNi粉、Cu粉、ダイヤモンド粉などで、数量としては数kg~数百kg/月の量産実績が御座います。
試作実績としては、コア粒子材質は、金属、樹脂、セラミックス等、粒子サイズは3μmからの実績が多くございます。特殊な材質、3μm以下の微粒子への処理も、お客様とお打ち合わせさせていただきながらトライさせていただいております。

  • コア粒子の形状
    コア粒子形状は、球形だけではなく、単繊維状や角型、不定形等、様々な粒子形状にも対応実績がございます。以下が事例の一部です。
単繊維状粒子へのめっき
樹枝状粒子へのめっき
鱗片状粒子へのめっき
  • めっき膜厚

⼀般的なめっきではミクロンスケールの膜厚となりますが、粉体は表⾯積が⾮常に⼤きいため、ナノスケールまで薄くすることもあります。
めっきの仕様にもよりますが、ナノメートルのめっき処理ができるのが当社の「ナノめっき」です。

ニッケル/金めっきした樹脂粒子の断面
  • 平滑皮膜、凹凸皮膜、まばら皮膜まで可能

めっきの平滑さや被覆度合いもコントロールできます。凹凸皮膜にすることで、表面積が大きくなったり、突起によって相手材に食い込みやすいメリットが挙げられます。まばら皮膜は、コア粒子の材質をより発揮したい場合には効果が期待できます。以下が事例の一部です。

平滑なめっき皮膜
凹凸を持つめっき皮膜
まばらな析出のめっき皮膜

試作から量産までの流れ

STEP1:初期検討試作
                お客様とお打ち合わせした内容を踏まえ、決定しためっき仕様での初期検討試作を行います。
                処理量は数gから実施可能です。
STEP2:評価用サンプル試作
       初期検討結果で、実際にご評価に必要な量を試作し、お客様に性能をご評価して頂きます。
STEP3:量産試作
       量産を想定した処理バッチサイズでの試作を繰り返し、ご評価頂きます。
STEP4:量産
       量産試作結果が良好となりましたら、量産へ移行させていただけます。
                仕様書を取り交わせて頂き、生産対応させていただきます。


ダウンロード資料内容

・対応可能な粉体の材質とめっき種一覧
・粉体へのめっき実施事例

Q&A

  • めっき可能な最小サイズはどれくらいの粒径でしょうか?

    3µmからとなりますが、3µm以下でもトライさせて頂くことは可能ですので、お気軽にお問合せ下さい。

  • 素材粉体は準備する必要があるのでしょうか?

    弊社はめっき加工業ですので、基本的にはお客様にご準備頂いております。

  • めっき後の評価方法としてはどのような評価を実施するのでしょうか?

    SEM、粒度分布、めっき量は標準的な評価として実施します。必要に応じて抵抗や断面膜厚など評価します。

用途や導入例

  • めっきされた粉体は導電ペースト材料として電子材料に用いられます。
  • Ag、Cuめっきは電磁波シールド材として用いられます。
  • めっきされたダイヤモンド粉はソーワイヤー作製に用いられます。

お問い合わせ・試作依頼