4 「めっきの工法・設備」の章

  1. 01 バレルめっき

5 「めっきに必要な処理」の章

  1. 01 綺麗にめっきをするには?
目次

6「めっき皮膜の種類と特徴」の章 性能で選ぶアルマイト処理

アルマイト処理は、アルミニウム表面に酸化皮膜を形成し、耐食性や耐摩耗性などの性能を付与する技術です。処理条件によってその皮膜の性質が大きく変化するため、用途に応じて処理方法を選ぶことが大切です。
本ページでは、代表的な「白アルマイト」と「硬質アルマイト」の違いを比較し、用途別の選び方を解説します。

アルマイト処理とは

アルマイト処理(陽極酸化処理)は、アルミニウム表面に酸化皮膜を生成する表面処理です。

■ 耐食性の向上
■ 電気絶縁性の付与
■ 表面硬度の向上

などの効果があります。

※アルマイト処理の基礎については「めっきではない『アルマイト処理』について」をご参照ください

アルマイト皮膜の種類

アルマイト処理は、処理条件の違いにより主に「白アルマイト」と「硬質アルマイト」の2種類に分類されます。これらは皮膜構造や性能が大きく異なります。

白アルマイト(スタンダード)

硫酸浴で行う一般的な陽極酸化処理です。

■ 皮膜厚:5〜25µm
■ 多孔質構造で染色が可能
■ 装飾性に優れる

主に装飾性と耐食性を目的として使用されます。

用途例
建材/家電/日用品/外装部品/機械部品/ヒートシンク/航空宇宙/自動車など

白アルマイト

硬質アルマイト

低温・高電流密度条件で行う陽極酸化処理です。

■ 皮膜厚:25〜90µm 
■ 硬度:HV300〜500
■ 高い耐摩耗性

機能性を重視した用途に適しています。

ちなみに、硬質アルマイトでは膜厚が厚くなるにしたがって処理後の色が濃くなります。
写真は膜厚20μm~60μmでの色サンプルです。(A5052材を使用)

用途例
機械部品/シリンダー/摺動部品/半導体装置部品/光学系装置部品/ロール・シャフト部品/屋外桝フタなど

硬質アルマイト

性能の違い(比較)

白アルマイトと硬質アルマイトでは、目的や性能が大きく異なります。

用途別、アルマイト処理の選び方

アルマイト処理は、単に表面を保護するだけでなく、製品の使い方や求める性能に応じて処理方法を選ぶ必要があります。
たとえば、「外観を重視する部品」と「摺動部で摩耗が心配な部品」とでは、適した皮膜は同じではありません。用途ごとの特徴を踏まえると、選定の考え方は次のようになります。

■ 外観・デザインを重視 → 白アルマイト
■ 摩耗・摺動がある部品 → 硬質アルマイト
■ 寸法精度が重要    → 白アルマイト
■ 耐久性・寿命を重視  → 硬質アルマイト

性能の違いはどこから来る?

性能の違いは、アルマイト皮膜をつくるときの処理条件の違いから生まれます。

白アルマイトと硬質アルマイトはどちらも多孔質構造の皮膜ですが、温度や電流密度などの条件が異なるため、皮膜の構造や性質が変わります。

■ 通常アルマイト
  → 孔が比較的大きく、やや柔らかい構造

■ 硬質アルマイト
 → 孔が細かく、より緻密で硬い構造

この違いが、耐摩耗性や染色性などの性能差につながります。

カラーアルマイトについて

アルマイトの多孔質構造を利用して染料や金属塩を導入し、着色する処理です。

■ 黒・赤・青・金など多様な色が可能
■ 外観品質に優れる

主に装飾用途で使用されます。

まとめ

アルマイト処理は、同じアルミニウムでも処理条件によって得られる性能が大きく変わります。
私たちは、表面処理を単なる仕上げではなく製品に必要な性能を引き出すための技術だと考えています。だからこそ、用途に合った処理を選ぶことが重要です。
 

要点をまとめると、次の通りです。

■ アルマイトは、処理条件によって性能が大きく変わる
■ 通常アルマイトは、装飾性や防食性を重視する用途に適している
■ 硬質アルマイトは、耐摩耗性や機能性を重視する用途に適している
■ 求める性能に応じて、適切な処理を選ぶことが重要


当社では、アルマイトについて初めて知る方にも分かりやすくお伝えすることを大切にしながら、実際の用途に応じた技術提案にも取り組んでいます。

白アルマイトや硬質アルマイトをご検討の際は、ぜひ技術ページもご覧ください。