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1めっきを初めて学ぶ方へ 綺麗にめっきをするには?

綺麗なめっきには、前処理が必須

めっき膜はめっき液に入れて反応すれば析出します。
しかし、きれいに剥がれないめっきをするには、処理工程だけではだめです。
適切な前処理工程で、品物の表面をきれいに析出できるようにしてあげることで、きれいなめっきが出来るようになります。
”めっきの出来栄えは前処理で決まる!”と言われるほど、前処理工程は重要とされています。

重要な前処理工程の一つー脱脂処理

めっき素材には、研磨加工時の研磨剤(バフ研磨ー動植物油)や金属粉(鉱物油)、錆防止(鉱物油)などに使用する各種油類など、めっきをするための障害物となる汚れが付着しています。
この汚れを除去して、出来るだけ清浄な表面にすることが脱脂の目的です。
また、汚れにはたくさんの種類があり、いろんな性質持っているので、その性質に見合った除去法を選択する必要があります。
脱脂工程の分類としては以下の様になります。

・予備脱脂・・・溶剤脱脂、エマルジョン脱脂
・本脱脂・・・アルカリ浸漬脱脂
・仕上げ脱脂・・・電解脱脂 

溶剤脱脂、エマルジョン脱脂

予備脱脂は、特に多量に付着している油脂や研磨材などを除去する工程です。
脱脂剤として有機溶剤を用いる場合を溶剤脱脂、界面活性剤と炭化水素系溶剤が入る場合をエマルジョン脱脂と言います。
溶剤は油脂に対して大きな溶解を持っていることから、重質油などの除去に効果があります。
界面活性剤は一緒に入っている溶剤の乳化をもたらし、製品と汚れの間に入り込んで汚れを浮かせる作用があります。
どちらもひどい汚れに効果的ですが、溶剤脱脂は火気厳禁、エマルジョン脱脂は廃棄処理に負担がかかります。
一般的によく使われるのは、アルカリ浸漬脱脂や電解脱脂です。 

アルカリ浸漬脱脂

アルカリ浸漬洗浄とは、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムなどのアルカリ塩を主原料として用いた脱脂液に浸漬して、油脂系、石油系など、多くの汚れを除去除去する方法です。
油脂の汚れを除去する場合は必ずと言っていいほど、用いられます。
特徴としては、以下が挙げられます。

・アルカリ度が高いほど洗浄力が向上する
・処理液の温度上昇に伴い、洗浄力が向上する
・処理製品に、アルカリへの耐性、温度への耐性があるか注意が必要

アルカリ脱脂による表面汚れ除去イメージ

電解脱脂

電解脱脂は、製品に電気を流して、ガスを発生させることで汚れを落とす方法です。
陽極では酸素が、陰極では水素が発生します。
製品を陽極にセットする場合を陽極電解、逆を陰極電解と言います。
陽極電解では、製品表面に酸素が発生しますので、表面に薄く酸化膜が生成されます。
よって、次工程で酸化膜の除去が必要です。
水素脆性は起こりません。
一方、陰極電解の場合、大量の水素ガスが出るため、洗浄効果が高いです。
短所としては、製品表面で水素が発生するため、金属に水素が吸収されて水素脆性が起こる可能性があります。

電解脱脂による表面汚れ除去イメージ