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1めっきを初めて学ぶ方へ 環境に優しいめっき

世の中には、様々な化学物質があります。その中には、昔は分からなかった毒性が新たに明らかになることで、もしくは、より環境や生物に配慮した社会にするために、毒性のある物質に対し、規制強化が行われています。
めっきでも、多くの化学物質を用いており、その中には、”めっきの歴史”でお話した、水銀の他、鉛、カドミウム、シアン化合物、六価クロム、フッ酸、等、環境や人体に有害となる物質も取り扱われています。これらの物質について、めっき業界での取り組みについて、一部ご紹介いたします。

1つは、徹底した管理、もう1つは、有害物質の使用そのものを減らす、使用しない、めっき技術の開発、です。

環境に配慮した徹底した管理

これまでお話したとおり、めっきは、水溶液として取り扱われます。めっき処理後、この水溶液の廃棄が必要になりますが、この廃液処理は専用の廃水処理システムで適切に、確実に行っています。適切な処理を行えば、環境に悪影響を及ぼすことはありません。

例えば、”シアン”。一般の方が聞くと、とても危ないイメージですよね。実際に毒性がある物質ですが、シアン専用の廃棄処理を行うことで、無害になります。逆に、生物への有害性は低い物質でも、廃液処理にコストがかかり、結果として環境負担となる場合もあります。
また、”シアン”を用いためっき液だからこそ、優れた特性を持つめっきが得られ、優れた製品に貢献していることも事実です。同じように優れた特性を持つめっきとしては、航空機の部品に使われるカドミウムめっきも有名です。人命に直結するものは、信頼性・安全性が最重要と考えられており、規制が緩和されているものもあります。
これも、対象物質に対し、正しい知識と取り扱いにより、適切な管理が行われているからこそです。

環境に配慮しためっき技術開発

その一方で、環境対応型のめっき技術開発も盛んに進められています。
事例の1つとしては、六価クロメートから三価クロメートへの切り替えがあります。六価クロメートは鉄鋼材料の錆び防止を目的として、古くから亜鉛めっき-六価クロメート処理が行われ、皆さんの身の回りにあるネジやナットから、工業品にまで、広く用いられていました。しかし、六価クロムの毒性が問題となり、RoHS指令(2006年施行)にて規制物質にもなりました。皮膜性能としては六価クロメートの方が優位ではあったのですが、環境、生物への影響という観点で、3価クロメートへの切り替えとなりました。(当社も、3価クロメート液に切り替えております。)

六価クロメート(有色)
三価クロメート